COVID-19の影響で確定申告の期限が延長されましたが、対象の皆様はもうお済みでしょうか。
そして、顧問税理士がいらっしゃる方は、良好な関係を築けていらっしゃいますか?
◆医師と税理士
ほとんどの開業医は税理士と顧問契約をされているかと思います。
勤務医でも、ご自身ではなく税理士に確定申告の代行依頼をされる方は多いでしょう。
開業されると、毎年の税務申告・決算以外にも、毎月の会計処理、経営状況の分析、相続税や贈与税の計算など、税理士に任せるのが一般的です。
顧問税理士には、税務知識や手続き代行だけではなく、経営面で頼れるパートナーとしての役割が求められます。
パートナーである税理士との関わりは、開業してから始まるものではなく、開業準備の段階から必要となります。
開業物件や機器に関わる「開業資金」の調達です。
開業資金の大部分は金融機関からの借入によって調達をしますが、ご自身で銀行に相談するのは得策ではありません。
◆金融機関
このマイナス金利下で、銀行はクリニックへの融資に概ね積極的ではありますが、気をつけたいのは融資の条件です。
金利は比較しやすいのですが、
・返済期間
・元本返済の猶予期間
・「設備投資」と「運転資金」の割合
など、良い条件とは一元的なものではありません。
勤務医時代に都市銀行をメインバンクにしている方は多いと思います。
しかし馴染みのあるその都銀は、個人事業主である開業医への融資にそこまで積極的ではないかもしれません。
メガバンクが(金額的に)最も融資をしているのは大企業です。
※個人事業であろうと、医療機関は潰れにくく回収の見込みが高い優良な貸出先なので、最近では特に青色の銀行からの融資件数が増えてはいます
それに比べて、地方銀行や信用金庫などはそもそも中小企業・個人事業主をメイン顧客としているため、診療所を重要なターゲットと捉えています。
参入障壁が高く安定感のある医療機関には、スタートアップ企業というクラスターの中でも特に積極的な融資をしたがっています。
地銀も信金も、多くが首都圏に出張所を置いて営業をしています。
特に北関東や甲信越の地銀は、東京の新規クリニックへの融資実績が豊富です。
聞いたこともなかったような地銀や信金が、開業時の資金調達先となるのです。
◆融資条件
その地銀・信金にしても、貸付条件は一定ではありません。
・自己資金の有無や額
・保有資産(不動産、証券、負債など)
・経歴や給与
・家族(構成、職業、収入、資産など)
・事業計画
など個々の与信状況によって、同じ額を借りるにしても最終的な返済額は大きく変わってきます。
属性を急に変えることはできませんが、同じ経済状況の人でも、見せ方次第で金融機関に与える印象は異なります。
銀行の融資担当者と日々渡り合っている税理士は、この見せ方というものを熟知しています。
銀行側も、多数の取引実績がある税理士であれば最初からMAXの条件を出してきます。
これは当然、飛び込みで相談に来た事業実績のない医師が個人で引き出せるものではありません。
ほとんど自己資金の無い方でも、税理士が介在することで1億円ほどの無担保融資を受けて開業する例などは多くあります。
個々のドクターに応じて最適な融資条件を引き出せるのは、医療機関や医師に特化している経験豊富な税理士です。
「親の顧問税理士にそのままお願いしている」
「高校の同級生が税理士だから任せている」
「先輩ドクターに紹介されたから断れなかった」
などのパターンをよく聞くのですが、特に開業時にはパートナーに相応しい税理士か、改めて吟味いただきたいと思います。
◆税理士の専門分野
税理士にも、医師同様に専門分野があります。
中小企業の決算、確定申告、相続、節税、資金調達など、専門分野は多岐に渡ります。
そもそも、国家試験を受けずに税理士になっている人さえいます。
税務署OBと呼ばれますが、税務署などで一定期間の勤務実績があれば無試験で税理士資格を得られる制度があるのです。
特有の課題が多い医療業界において、精通した税理士を選ぶことは、足をくじいた時には整形外科を受診するのと同じレベルで重要です。
医療機関の税務や経営で専門知識を求めるのであれば、医療機関を専門的に担当している税理士を選びましょう。
◆税理士ご紹介にあたり
医師のともで付き合いのある税理士事務所は10社ほどです。
全て医療機関専門か、医療に特化した部署を持っている事務所のみです。
その中から
・開業地
・現住所や現勤務先のエリア
・科目
・開業プラン(コンセプトや診察内容)
・クリニックの規模
など、色々な要素を考慮して2~3社の税理士事務所をご提案しています。
各社とご面談の上で最終的に決め手としていただきたいのは、ドクターと税理士の相性です。
クリニック経営や人生そのものへの考え方などのベクトルが乖離し過ぎていない税理士を選ぶのが重要です。
医院経営はもちろん、院長個人や家族のファイナンシャル面も含めたパートナーなので、方向性が違いすぎるとストレスが生まれます。
悩むことや困ることは正解がないことばかりなので、価値観のマッチング度合いが大切です。
◆開業後の担当税理士
開業時の担当者と、開業後の担当者が異なることが多いのが悩ましいです。
開業前は、各事務所の代表税理士やエース級が担当することがほとんどです。
知識や経験が豊富で、非常に頼りになります。
しかし、開業後に毎月来てくれる担当者にも同様に満足できるかは別問題です。
担当を変えてもらうこともできますが、日本のビジネスシーンにおいて「担当を変えろ」というのは相当な重大事件です。
なかなか言い出しにくいものです。
最終的には代表税理士やエースがフォローをしてくれますが、窓口となる担当税理士でストレスを感じる医師も一定数いるようです。
◆結論
税理士選びは、長い開業医生活において配偶者選びに次いで重要なのかもしれません。
婚姻関係を解消するのと同様、顧問税理士のリプレースというのも骨が折れることでしょう。
開業する前はもちろん、開業後においても、税理士のお悩みをお寄せいただくことはあります。
医師の「友」として、パートナー選びでお困りの際にご相談いただければお力になれるかと存じます。
医師のともライフサポート部では、開院までのフルサポートだけでなく、
・物件仲介のみ
・事業計画のみ
・税理士紹介のみ
・内装レイアウトのみ
・機器選定のみ
・HP作成や集患、広告のみ
など、ご希望に応じた無料サポートが可能です。
お気軽にご相談ください。
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